大判カメラ撮影における露出決定は、主に単体露出計を使用します。ただ大判入門者で露出計を持っていないという人は、手持ちの35ミリ一眼レフカメラを露出計代わりに使用することもできます。この場合ズームレンズ付き一眼レフカメラを使用すると、レンズ換算で例えば大判90ミリならば35ミリで24ミリ、150ミリなら45ミリ、300ミリなら85ミリという具合にすればより正確な露出を求めることができます。(換算表参照)ただし35ミリと大判の被写界深度が違いますから、出た目イコール正式露出ということではありません。大判なら最低F22の絞り以上で撮影することをお薦めします。また部分測光可能な35ミリカメラなら単体露出計に近い使い方もできます。しかしせっかくの大判カメラを使用するのですから、やはり単体露出計の所有をお薦めします。それも安価な露出計ではなく少なくとも入射、反射測定ができる露出計で、ストロボ光まで測光できるものならば安心です。この条件をクリアする代表的な露出計を2種紹介し、その主立った諸元を検証します。露出計選定の参考にしてください。
上記データはカタログより抜粋致しました。上から順に補足説明をしていきます(1)は製品名です。(2)(3)はこの露出計の測光と測光方法を示すもので、定常光とは太陽の光や写真電球、蛍光灯のように被写体に当たる光がある程度定まっていることを言います。フラッシュ光は主にストロボの光を言います。ここでの注意点は、廉価版の露出計は測光方法項目で入射光としか記されていないものがあり、その場合反射光による測光はできません。(4)の測光範囲は、その露出計が持つ測光可能な範囲を表すものでEV値で表示されます。EVとはエクスポジャーバリュー(Exposure Value)のことでレンズのF値(絞り値)とシャッタースピードで決定される値のことを言い、F=1、シャッタースピード=1秒のときEV=0と定義されます。要するにこの範囲が大きいほど低照度から高照度まで測光可能ということです。定常入射光(露出計の白い光球で測光)で計ればセコニックはEV-2から22.9までの範囲が測光できることです。どちらの露出計も定常反射光はファインダーを覗いて測光しますが、この場合ゴッセンではEV1〜18まで測光できることを記しています。またストロボ測光は白い光球部分による入射式で測光できますが、どちらも実際に使用する絞り値以上の性能を持っていることが分かります。(せいぜい大判ではF5.6〜F45位を使用)(5)のISOは使用するフィルムに合わせて使うものですが、どちらもオーバースペックな位の範囲です。(6)の絞り値もやはり使用範囲以上まで測光できることを示します。(7)のスポット測光角度は反射光式で測光した場合、被写体を何度の角度で測光するかという表示です。角度が小さいほど被写体の一部分を測光し、大きければ測光面積が大きくなります。例えば森の木々を撮影した場合、測光角度が1度だと葉っぱの裏表、幹と葉など反射率の違う部分を部分的に測光しますので、明暗の違う場所を計って平均を出したり、標準反射の被写体(後述)を探したりする必要があります。測光角度が大きいとある程度平均が出ますので1度より使用は楽と思います。(ただし、微妙な表現を要求される被写体を測光をするのは1度が便利)(8)の使用温度範囲は、この露出計が寒さ、暑さどの位の温度で使用できるかの目安です。特に寒冷地は電池の電圧低下がありますのであくまでも目安と考えた方が良いでしょう。(9)の電池は、あまり入手困難なものは避けた方が良いでしょう。どちらも入手が楽な電池を使用しています。(10)(11)のサイズ、重量はあくまで参考数字です。実際にホールドしたりして確かめられるのをお薦めします。
《実際に計ってみると》もう少し分かりやすく説明するために、二つのイラストを用意しました。太陽の光などの定常光でモデルの顔に当たって、反射した光(輝度と言う)を計るのが反射光式(イラスト1)。モデルの顔に当たる光(照度)を計るのが入射光式(イラスト2)です。この場合より正確なのが入射光式になります。それは直接被写体に当たった光を測光しているからです。反射光式の場合、被写体に当たった光を測光しているので被写体の反射率によって測光の誤差が出てしまいます。通常反射光式の露出計は被写体全てを反射率18%の標準的なもの(市販されている標準反射板、グレーカードがこれに当たる。)として測定します。これは自然界のいろいろな被写体(いろいろなカラー)を全て測光し平均すると18%の反射率になるといわれるところからきています。(市販の折り紙を各色測光して平均を出すと18%反射になります)分かりやすく例を挙げると雪を被写体に考えてください。手持ちの一眼レフやコンパクトカメラに、リバーサルフィルムを入れて雪を撮影すると、露出の足りない写真が撮影されてしまいます。これはカメラが真っ白な雪でも18%反射のグレーとして認識し測光するからです。雪の白は反射率が高いので、1〜2段階余計に露出を与えることが必要になるのです。これは露出計は色を読めずに、全て18%反射率の被写体として認識していることからくる結果なのです。反対に黒い被写体を反射光式で測光する場合は、露出を抑えて適正に調整する必要があります。もし被写体の中に反射率18%のものがあればスポット測光し標準的な露出を求める事ができます。
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